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小林よしのり
2015.7.20 05:55日々の出来事

京都国際マンガミュージアムでのトークイベントの件


京都国際マンガミュージアム「マンガと戦争展」で、
呉智英氏と対談した。

呉氏とは『戦争論』がヒットしている頃に会った
記憶があるから、
多分17年ぶりだと思う。
髭に白髪が増えたようだが、イメージは変わってない。
相変わらず矍鑠とした態度で、唯我独尊な感じが頼もしい。

 「マンガと戦争展」の前で
 ↑呉智英氏と「マンガと戦争展」の前で

呉氏の話でいくつか気になったことを書いておく。

『救世主ラッキョウ』から、わしが人を扇動する何かに
目覚めたと
言っていたが、あれは何を意味しているのかが
掴めなかった。

『大東亜論』に関しては頭山満一人を歴史の主軸として
語るつもり
はない。
頭山ら玄洋社の面々や、頭山に関わる知識人や
金玉均・孫文らを
描きながら、明治から昭和への
近代主義の陥穽を点検し直すことに
眼目がある。

テロで何かが変わると描きたいわけでもないが、
来島恒喜が大隈の
条約改正を葬ったことも
歴史の事実。
歴史は神が動かしているのではなく、人間が
動かしているのである。
強力な個人の玉突きで歴史が動くのは今もそうで、
歴史を動かす
主体は政治家でも官僚でもない。

今回の解釈改憲による安保法制でも、カールシュミット流に
国家主権を行使しているつもりで、民衆の歓呼にも担保されず、
ブーイングしか起こせないような演説力では話にならない。
例外状況がないときに独裁者を気どっても、
ピエロになるだけ
なのである。

呉氏が言ったシベリア抑留は漫画にならないという見解は
確かにそうだが、方法論を考えてみる。
呉氏は会って何か話せば、どうしても触発される人だ。

しかし角南氏が亡くなっていたとは知らなかった。
わしを10万馬力から100万馬力にしてくれた
編集者だった。

 『戦争論』パネル展示
 ↑『戦争論』のパネル展示


京都国際マンガミュージアムはかなり凄い施設だった。
歴史を感じさせる学校の校舎を改良して、膨大な漫画本を
収納し、完全に漫画ファンに扉を開き、しかも選挙の時は
地域の投票所としても利用されているという。
訪れる子供から大人までがミュージアムのあちこちで
漫画を
読みふける姿は感動的ですらある。
京都に来た時は一度寄ってみるといい。

 サイン
 ↑サインした。施設内に飾られるそうだ。探してみてクリ


 
サイン
 ↑併設されているカフェの壁にもサインした

漫画家の手形が飾ってあって、わしも手形とられてしまった。

死んだらデスマスクならぬデスハンドになるな。

 
手形

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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